12円しか持っていなかったぼくは、チカちゃんのクルマに乗せてもらって松本へゆきました。さわのさん、みやちゃん、ねこちゃんが絵を買ってくれたのと、りんご音楽祭のぐっとクルーのギャラをお願いして総取りして、高速バスで名古屋に来ました。
バスのなかでさわのさんから借りた、がむしゃら1500キロを読んだ。
名古屋では瓦で共演したmmmちゃんのライブに。ブラジルコーヒー。いろんなはからいでご飯ももらったし、ビールも飲んだ。
お金がないほうがシンプルでいいなと思う。交換でいい。ぼくは歌が歌えるよ、絵も描けるよ、それだけで生きてけるよ、ほんとは。みんな優しいもの。
お金があればいいと思えたら、もっともっと上手くやれる、そう思うけど、そう思えないんだな。ぼくはお金のない両親が好きだった。夜中でも呼び出されて働きにいく母や、ただ明るく楽しいだけでみんなに好かれて、よくしてもらってる父が。みんなで助け合って生きてくことがどんなに素晴らしいことか、ぼくは子供ながらにずっと感じてきた。心でそう思うもの、ほんとうにそう思うので、このままいくしかない。ただ、できることを一生懸命つきつめていくしかない。ぼくにできることがなんなのか、みんなにわかってもらって、いまだ未知のものだけど、その伸びしろだけでよくしてもらってきたけれど、そろそろなにか実らせてもいいころだ。ぼくはね、コインパーキングの種を蒔いて、それでお金を収穫しようってんじゃないんだよ。
ところで、とある友達のお店にビッグネームの人がきて、そのときに自分のCDがかかってて、反応してたよって友達が言ってた。
宮沢りえさんだったらしい