2013.07.??
松本に戻ると、いくちゃんはメーヤウをクビになっていた。もともと遅刻グセはあるし、生協で働いてたときもそのせいでクビになったみたいだけど、メーヤウでやるなら成長できるだろうと思っていたけれどだめだったみたいだ。
遅刻の理由はぼくはなんとなくわかってるつもりなので、もうあまり責めるつもりもないけれど、そういえば、18歳くらいだったころ、ぼくはイギリスの大学に行っていて、みんなで待ち合わせをしたことがあった。「フミは待つのが好きじゃないの?」これが、1時間くらい遅れていったあと発した僕の言葉だ。ひどく怒らせてしまったので、よく憶えてる。そりゃないよ、と今なら思うけど、当時はそうだった。ていうか、今でも頻繁に遅刻するけども。いくちゃんとはお互い様だけど、いっこうにバンド練が進まないことが多々あるのでなんとかしたい。ライブがよければそれでよいけれど。
もともと構築したくないクチなので、じつは、通常みんなが合わせるより10倍くらいリハーサルしておかないと、本番の気分についていけない。もともと最初に組んだバンドが「ざ・はっぴいず」で、みんなが大学生であり、しかもぼくは休学中だったから、朝9時から夜9時まで学校の音楽室にいて、みんなが授業終わるまで、脳内に何千人も観客を連れてきては、ひとり大きな音でギターを弾いたりドラム叩いたりしてた。そのせいか、未だに週2回、2時間ずつとかいうリハーサルには慣れないし、なかなか難儀だ。
話はそれたけど、メーヤウワンマンが流れてしまったらすごく悲しいと思ったけど、だいじょうぶだった。いくちゃんも、いっしょにメーヤウにいって、明るく皮肉を言われたけれど、まずまず、仲良くやれそうだった。
よかったね、いくちゃん。
せめて週5。僕ばっかりでバンド組んでたら、きっとそうやるだろう。すこしはみんなに合わせられるようになってきた、妥協づいたしょっぱい僕だ。味が足りないときはちぎって使ってくれ。